あこがれの人

レポとも言い難いライブレポばかり書いています

松永天馬アコワンマン「OKINAWAN LOVE HARASSMENT」 ライブレポ

f:id:Suzuri:20190909222807j:image

2018年9月9日
松永天馬 アコースティックワンマン
「OKINAWAN LOVE HARASSMENT」
@沖縄 美栄橋 Record & Music Bar on

 

こんにちは。
夏が過ぎ、いよいよ秋らしくなってきましたね。
暦の上では秋となる9月でもまだまだ暑い沖縄ですが、そんな季節を彩る素敵な夜がありました。

 

セットリスト
ラブハラスメント
プレイメイト
好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた
天馬のかぞえうた
キリスト・ロック
ぼくらの七日間恋愛
身体と歌だけの関係
  休憩
シンジュク・モナムール
君にハラキリ
人狩り
都市は優しい
都会のアリス
大破壊交響楽
アンコール
生転換

 

この日はアーバンギャルド主催フェス「鬱フェス」の翌日で、作り込まれた前夜のライブとは対照的なまったりとした雰囲気のなかで行われました。

会場がバーということでいくつか座席とミニテーブルが用意されていたのも、店内がこぢんまりとして暖かい空気に包まれていたのも、すべてが新鮮でした。

開演前の物販が終わり、場内BGMと合わせて聴こえていたけいさまのピアノの音が、BGMがふっと消えたことで独立するひとつの旋律となったところで、幕が上がりました。

 

一曲目『ラブハラスメント』。

曲名が公演名にも入っていますが、ここが東京から遠く離れた島ということで歌い出しの「こんなところでごめんね」というフレーズが妙にマッチしていてちょっと笑ってしまった。

 

そして新曲『プレイメイト』。

爽やかでありながらいつになく大人の魅力を感じました。メロディーもさることながら歌詞が良くて、目頭が熱くなってしまいました。二曲目から泣かせてこないでほしい。

 

『天馬のかぞえうた』では、途中突然「ビールください」とオーダーを始める一幕も。隣で演奏していたけいさまも「僕も」と乗り、ふたりはビールを曲の途中でちょこちょこ飲んでました。

そして天馬さんは「ビールを飲むとトイレに行きたくなります」と言い残し、お手洗いへ。曲後、天馬さんは「この曲は"間奏中にトイレに行く曲"みたいになってて嫌ですね」というようなことを言ってて笑った。

 

お次の『キリスト・ロック』も今年発表の新曲ですね。

曲前にけいさまから「あまり解説されないですけどこの曲はどういう曲なんですか?」と問われ「うーん…Twitterの曲ですかね。分からないですけど」と答えていたのですが、確かにTwitterをはじめ最近のネットの空気を揶揄するような歌詞だと感じました。しかしセンセーショナルな歌詞に相反してメロディはゆったりした印象。

 

『ぼくらの七日間恋愛』では、間奏中、突然外の一点を見つめ静止する一幕も。視線の先を追っても何も見えず、不思議に思っていると、アウトロでも窓の外を気にする天馬さん。

曲後、けいさまから「せっかくいい曲なんだから(変なことしないで)」とツッコまれると、「『コマネチ(会場近くにある串カツ屋さん)』が気になって…」と答える。突然のコマネチに会場が笑いに包まれました。

松永「ちょっと間奏中だけコマネチのこと考えてました」

 

『身体と歌だけの関係』。いつもは身体が揺れるくらいグルーヴ感のある曲ですが、天馬さんから「この曲はリラックスして聴いてほしい」との提案があり、また自身もリラックスして歌うためにピアノ用の椅子に腰掛けて歌うというレアなバージョンでした。

台詞を読むように歌ってみたり、テンポを速めたりゆっくりにしてみたりと、オケなしのアコースティックだからこその自由自在なアレンジで、非常に面白かったです。

 

少し休憩を挟み、後半はアーバンギャルドの曲をセルフカバー。

‪『シンジュク・モナムール』はソロでよく披露されているブギverをアコースティックで再現したような雰囲気でとてもおしゃれでした。‬
‪「演じるの 天使のように」で腕を羽根に見立てはためかせた後、「二度とはお目にかかりません」でピースをする、という一連のポーズがかわいく崇高でドキドキしてしまった。‬

 

‪曲前、「僕はこの曲好きなんですけどバンドでなかなかやらないですよね!何でですか!」と不満を漏らす天馬さんに「長いから、ですかね…笑」とけいさまが返し『君にハラキリ』‬へ。
‪生誕祭などではちょこちょこ歌われていますが、ライブでももっとやってほしい曲。天馬さんが、二番のサビで振り付けが分からなくなって一瞬右手をわたわたさせていました。かわいい。‬

 

そして『都市は優しい』へ。

ドラムやギターが入らないピアノと声だけの演奏。けいさまは即興演奏に強いキーボーディストですが、その確かな技術が鬼気迫るパフォーマンスに繋がっていてゾクゾクしました。

 

本編が一旦終了したところで、初のソロワンマンツアー「NARCIST」の告知が。(ナルシスト…!)

会場は大阪、名古屋、東京の三都市で、特にファイナルの東京は渋谷WWWという松永ソロでも最大キャパのライブハウスです。ご本人も言ってましたが本当に挑戦ですね…

 

天馬さんの「アンコールなんですけど何がいいですか?」という呼びかけに観客が\生転換!/と答え、リクエスト通り『生転換』へ。

今回初めて聴いたのですが、悲愴感のある歌詞とアップテンポなメロディのアンバランスさが気持ち良く響いていて、今年発表の新曲のなかでも上位に入るくらい好きな曲かもしれないです。聴けて嬉しかったな。

 

 

今回、松永ソロを生で拝見したのはおよそ一年ぶりだったので、去年より天馬さんの歌声に深みというか奥行きが増していてびっくりしました。アコースティックということもあり、ボーカルとピアノを同時にそれぞれじっくり堪能できてとても良かったです。

大きな窓の外に見えるモノレールのホームの光が、夜の暗さの中で夕暮れ空のように輝いていて、そんな景色が時間の感覚も土地感覚も連れ去り浮遊感のみを残していくのが心地良くて、ずっとこの時間が続けばいいと心から願ってしまうほど素敵な夜でした。

 

おわり