あこがれの人

レポとも言い難いライブレポばかり書いています

松永天馬アコワンマン「OKINAWAN LOVE HARASSMENT」 ライブレポ

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2018年9月9日
松永天馬 アコースティックワンマン
「OKINAWAN LOVE HARASSMENT」
@沖縄 美栄橋 Record & Music Bar on

 

こんにちは。
夏が過ぎ、いよいよ秋らしくなってきましたね。
暦の上では秋となる9月でもまだまだ暑い沖縄ですが、そんな季節を彩る素敵な夜がありました。

 

セットリスト
ラブハラスメント
プレイメイト
好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた
天馬のかぞえうた
キリスト・ロック
ぼくらの七日間恋愛
身体と歌だけの関係
  休憩
シンジュク・モナムール
君にハラキリ
人狩り
都市は優しい
都会のアリス
大破壊交響楽
アンコール
生転換

 

この日はアーバンギャルド主催フェス「鬱フェス」の翌日で、作り込まれた前夜のライブとは対照的なまったりとした雰囲気のなかで行われました。

会場がバーということでいくつか座席とミニテーブルが用意されていたのも、店内がこぢんまりとして暖かい空気に包まれていたのも、すべてが新鮮でした。

開演前の物販が終わり、場内BGMと合わせて聴こえていたけいさまのピアノの音が、BGMがふっと消えたことで独立するひとつの旋律となったところで、幕が上がりました。

 

一曲目『ラブハラスメント』。

曲名が公演名にも入っていますが、ここが東京から遠く離れた島ということで歌い出しの「こんなところでごめんね」というフレーズが妙にマッチしていてちょっと笑ってしまった。

 

そして新曲『プレイメイト』。

爽やかでありながらいつになく大人の魅力を感じました。メロディーもさることながら歌詞が良くて、目頭が熱くなってしまいました。二曲目から泣かせてこないでほしい。

 

『天馬のかぞえうた』では、途中突然「ビールください」とオーダーを始める一幕も。隣で演奏していたけいさまも「僕も」と乗り、ふたりはビールを曲の途中でちょこちょこ飲んでました。

そして天馬さんは「ビールを飲むとトイレに行きたくなります」と言い残し、お手洗いへ。曲後、天馬さんは「この曲は"間奏中にトイレに行く曲"みたいになってて嫌ですね」というようなことを言ってて笑った。

 

お次の『キリスト・ロック』も今年発表の新曲ですね。

曲前にけいさまから「あまり解説されないですけどこの曲はどういう曲なんですか?」と問われ「うーん…Twitterの曲ですかね。分からないですけど」と答えていたのですが、確かにTwitterをはじめ最近のネットの空気を揶揄するような歌詞だと感じました。しかしセンセーショナルな歌詞に相反してメロディはゆったりした印象。

 

『ぼくらの七日間恋愛』では、間奏中、突然外の一点を見つめ静止する一幕も。視線の先を追っても何も見えず、不思議に思っていると、アウトロでも窓の外を気にする天馬さん。

曲後、けいさまから「せっかくいい曲なんだから(変なことしないで)」とツッコまれると、「『コマネチ(会場近くにある串カツ屋さん)』が気になって…」と答える。突然のコマネチに会場が笑いに包まれました。

松永「ちょっと間奏中だけコマネチのこと考えてました」

 

『身体と歌だけの関係』。いつもは身体が揺れるくらいグルーヴ感のある曲ですが、天馬さんから「この曲はリラックスして聴いてほしい」との提案があり、また自身もリラックスして歌うためにピアノ用の椅子に腰掛けて歌うというレアなバージョンでした。

台詞を読むように歌ってみたり、テンポを速めたりゆっくりにしてみたりと、オケなしのアコースティックだからこその自由自在なアレンジで、非常に面白かったです。

 

少し休憩を挟み、後半はアーバンギャルドの曲をセルフカバー。

‪『シンジュク・モナムール』はソロでよく披露されているブギverをアコースティックで再現したような雰囲気でとてもおしゃれでした。‬
‪「演じるの 天使のように」で腕を羽根に見立てはためかせた後、「二度とはお目にかかりません」でピースをする、という一連のポーズがかわいく崇高でドキドキしてしまった。‬

 

‪曲前、「僕はこの曲好きなんですけどバンドでなかなかやらないですよね!何でですか!」と不満を漏らす天馬さんに「長いから、ですかね…笑」とけいさまが返し『君にハラキリ』‬へ。
‪生誕祭などではちょこちょこ歌われていますが、ライブでももっとやってほしい曲。天馬さんが、二番のサビで振り付けが分からなくなって一瞬右手をわたわたさせていました。かわいい。‬

 

そして『都市は優しい』へ。

ドラムやギターが入らないピアノと声だけの演奏。けいさまは即興演奏に強いキーボーディストですが、その確かな技術が鬼気迫るパフォーマンスに繋がっていてゾクゾクしました。

 

本編が一旦終了したところで、初のソロワンマンツアー「NARCIST」の告知が。(ナルシスト…!)

会場は大阪、名古屋、東京の三都市で、特にファイナルの東京は渋谷WWWという松永ソロでも最大キャパのライブハウスです。ご本人も言ってましたが本当に挑戦ですね…

 

天馬さんの「アンコールなんですけど何がいいですか?」という呼びかけに観客が\生転換!/と答え、リクエスト通り『生転換』へ。

今回初めて聴いたのですが、悲愴感のある歌詞とアップテンポなメロディのアンバランスさが気持ち良く響いていて、今年発表の新曲のなかでも上位に入るくらい好きな曲かもしれないです。聴けて嬉しかったな。

 

 

今回、松永ソロを生で拝見したのはおよそ一年ぶりだったので、去年より天馬さんの歌声に深みというか奥行きが増していてびっくりしました。アコースティックということもあり、ボーカルとピアノを同時にそれぞれじっくり堪能できてとても良かったです。

大きな窓の外に見えるモノレールのホームの光が、夜の暗さの中で夕暮れ空のように輝いていて、そんな景色が時間の感覚も土地感覚も連れ去り浮遊感のみを残していくのが心地良くて、ずっとこの時間が続けばいいと心から願ってしまうほど素敵な夜でした。

 

おわり

 

松永天馬映画祭in沖縄 レポ


2017年12月3日
「松永天馬映画祭in沖縄」
@沖縄 安里 G-shelter

 

こんにちは。
これまでいくつかライブレポを書いてきましたが、今回はいつもの音楽ライブとは少し違ったイベントについて書こうと思います。

タイトルにもある通り、今回はなんと「映画祭」です。


チケット代1000円(!)という破格で開催が決定したこの映画祭は、音楽と映像の祭典『MOOSIC LAB』というイベントで招待作品として上映された「血、精液、そして死」「カメラ×万年筆=夏」に加え、今年7月に発売された松永天馬ソロアルバム『松永天馬』のAmazon購入特典である「Poem Video 映像詩集」の上映、さらに「カメラ×万年筆=夏」監督・ALiさんの舞台挨拶、という盛りだくさんな内容でした。


会場に入ると、一列ごとにわずかに高さを変え配置された椅子と大きなスクリーンが目に飛び込んできました。夏に訪れたときにはオールスタンディングだった会場も、この日はすっかり映画館になっていてとても素敵でした。

 

開演してついに映画が始まる…かと思いきや来る予定だった他のキャストの方がまだ会場入りできていない、ということで急遽ALiさん監督で天馬さんも出演している「あどれっせんすドレス伝(たんきゅんデモクラシー)」「二月生まれ(僕とジョルジュ)」のPVを流すことに。

思わぬ幸運にテンションが上がったところでいよいよ本編がスタート。

 

 

まずは松永天馬初監督作品「血、精液、そして死」から。

これは何度も見ていてセリフもほとんど覚えているような状態だったのですが、大画面で見るとまた新たな発見があり面白かったです。作家と編集者の掛け合いがコミカルなシーンではほかのお客さんの笑い声も聞こえてきたりしてなんだか嬉しくなりました。

 

次に「Poem Video 映像詩集」へ。

このふたつの映像は、細かいところまで計算された「Blood,Semen,and Death.」「ラブハラスメント」とは違い、どこまでが演技でどこからが素なのかわからない危なっかしさがありました。「血、精液、そして死」では首吊りを試みるなど死にとらわれる作家を演じた彼がここでは殺人鬼のように笑っていて、その差がモノクロとカラーの対比に現れているような気がしたり。


そして、観るのをずっと心待ちにしていたALiさん監督の新作映画「カメラ×万年筆=夏」。

突然の大地震によって離ればなれになってしまったふたりの物語。ストーリーの切なさが、スクリーンから溢れ出る極彩色と多幸感に満ちた挿入歌でより際立っていて、つい何度もほろりときてしまいました。想像していたより何倍も甘酸っぱく、そして素敵な映画でした。

 

 

映画の上映が終わったところで、キャストの紹介とALiさんの舞台挨拶へ。

映画撮影時の裏話をたくさん話してくださったので、個人的に面白いと思ったところをいくつか書こうと思います。


まず「血、精液、そして死」について。

天馬さんが倒れているところからグンとズームアウトするシーンがあるのですが(詳しくは本編をご確認ください)あれはドローンを飛ばしているらしく、しかし作品の時代背景を考えあえてクレーンっぽく見せるために少し斜めにするなど趣向を凝らして撮影されたそうです。

あと、松永ソロのロゴはALiさんが作られたとか。松永天馬という名前からイメージされる松とペガサス(天馬)をうまく掛け合わせていてとても好きなロゴです。血の丸と並べて置きたい…

 

そして「カメラ×万年筆=夏」について。

タイトルにある通り劇中でもPARKERの万年筆が出てくるのですが、それは「血、精液、そして死」で作家が使っていたのと同じものらしく、万年筆一本で物語がつながる感じがとてもいいなと思いました。

また、物語でも大きなテーマとなっている"地震"に関して「沖縄では震災のリアリティが薄かった」と話されていたのですが、確かに当時の私もテレビで見る被災地と沖縄の穏やかな空気のギャップに戸惑ったことがあったので、この話は大変興味深かったです。

 

そのほか「ラブハラスメント」などのPV撮影時の話や、ALiさんが持ってきてくれたいくつかの小道具を見ていると、限られた撮影時間の中でより良いものを撮ろうと奮闘する撮影監督の工夫が垣間見え感銘を受けました。

 

ステージの下やカメラの外で演者を輝かせ、いつもファンにときめきを与えてくれる撮影監督というお仕事の素晴らしさ、そして、これからはあらゆる創作をただ見るだけではなくその裏にある意図まで考えじっくり味わおうと心に決めた2時間半でした。

 

 

ここまで読んでくれてありがとうございます。

またいつかお会いしましょう。

 

おわり

RAWFUSION レポ

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2017年8月19日
「RAWFUSION」
@沖縄 那覇 MAFALi cafe

 

18日のライブ『身体と歌だけの関係』終盤で突如天馬さんから放たれた「明日もライブ出演します」の言葉に突き動かされ、行ってきました。

まずは、取り急ぎセットリストから。最初の5曲と最後の3曲以外は順不同、そして3曲ほど曲名がわからず書いていない曲があります。悪しからず。

 

DJセットリスト

  1. 踊るダメ人間(筋肉少女帯
  2. 日本印度化計画(筋肉少女帯
  3. ラブハラスメント(松永天馬)
  4. スローモーション(中森明菜
  5. LOVEずっきゅん(相対性理論
  6. あたしゆうべHしないで寝ちゃってごめんね(面影ラッキーホール
  7. タイガー&ドラゴンクレイジーケンバンド
  8. モナムール東京(ピチカート・ファイヴ
  9. フロイドと夜桜(SPANK HAPPY
  10. ゴーストライターアーバンギャルド
  11. come baby(岡村靖幸と石野卓球
  12. 身体と歌だけの関係(松永天馬)
  13. 好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた(面影ラッキーホール
  14. ラブハラスメント(松永天馬)


本人が事前に「20時から22時の間に出ます!」とツイートしてくれていたのでそれに合わせて会場に入ると、少しして姫乃たまさんのDJが始まりました。「水玉病」を流して次の天馬さんのDJへ繋げてくれるような場面もあり。

姫乃たまさんの1時間のDJが終わって、21時ごろから松永天馬&おおくぼけいのDJが始まりました。突然の出演決定だったためかケーブルをiPhoneにつないでのDJだったり、天馬さんの髪の毛が潮でパサついて外にハネていたりと普段のライブだったら絶対見られないようなオフ感で、なんだか私は今すごいレアなものを見ているんじゃないか…とついドキドキしてしまいました。

 

天馬さんが「DJって何を流せばいいのか分からないんですけど…」と言っておもむろに流しはじめたのは筋肉少女帯「踊るダメ人間」で、会場内のボルテージは爆上がりでした。

「日本印度化計画」ではけいさまが歌う場面もあり、盛り上がったところで松永天馬「ラブハラスメント」へ。「DJだけど歌うから!」とツイートしていた通り、音源に合わせて歌ってくれました。2番ではいきなり「フリースタイルラップをやってと言われたけど俺にはできない」「DOTAMAさんともツーマンやったけどDOTAMAさんは何も言ってくれなかった 何か言ってくれDOTAMAさん」という旨のフリースタイルラップ(?)もありオーディエンスを沸かせていました。

そこから突然、中森明菜さんの「スローモーション」へ。ALiさんがすごい楽しそうに歌い踊っていたのが印象的でした。
間奏部分では、 松永「けいさまは明菜派ですか、聖子派ですか」おおくぼ「明菜派です」松永「明菜派ですかー。よこたんは正統派の聖子派らしいです。僕は楽曲派です。アイドルで選ばずに、曲で選びます」というような一幕も。

お次は相対性理論の「LOVEずっきゅん」。
『ここ ここ ここはどこ 沖縄 那覇 MAFALi cafe 乗り越して気づいた 明日は帰ります』という具合な替え歌も飛び出しました。しかしまさか天馬さんが「ラブ ラブ ラブずっきゅん」と歌う姿が見られるとは思っていなかったのでLOVEずっきゅんされてしまいました。

面影ラッキーホールの「あたしゆうべHしないで寝ちゃってごめんね」では、「僕、今回DJで面影ラッキーホールしか流さないよ!って言ってたんですけど、これがはじめての面影ラッキーホールですね」「これは面影ラッキーホールの『あたしゆうべHしないで寝ちゃってごめんね』って曲なんですけど、iTunes Storeで買えるので今すぐにでも買ってください」と話していました。面影ラッキーホールへの愛が強すぎてもはやDJというより布教では。しかし「好きな男の名前〜」はソロライブでも定番化しつつありますがこちらはほとんどライブで聴かないので、今回歌ってるのが聴けて嬉しかったです。

そして「僕、話が長いってよく言われるんですけど、そんな僕の歌です」という言葉で始まった、クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」。
実を言うとこの曲はサビしか知らなかったので頭上にハテナマークを浮かべながら聴いていたんですけど、サビで「俺の話を聞け〜〜!」と熱唱する天馬さんを見て思わず吹き出してしまいました。話が長い君が好きだよ!

ピチカート・ファイヴの「モナムール東京」では、最初の台詞に合わせて『今の私 とっても悲しくて 涙が 涙が 涙が 涙が 涙が止まらないの』と読んで(歌って)くれたのでひとり歓喜していました。

次のSPANK HAPPYの「フロイドと夜桜」では、イントロを聴いて「ラヴクラフトの世界」のPVが勝手に脳内再生されましたが許してください。

そしてアーバンギャルドの「ゴーストライター」。イントロからアウトロまですべてが最高ですよね。天馬さんいわくこの曲のギターソロは加山雄三さんの『若大将』シリーズっぽく弾いてと頼んだそうです。

岡村靖幸さんと石野卓球さんの「come baby」では「ALiさんと姫乃たまさんと僕の共通点は岡村ちゃんが好きってことですね」という天馬さんの言葉通りALiさんも姫乃たまさんもとても楽しそうに踊っていて、やっぱり音楽はいいなという気持ちになったり。

松永天馬ソロverの「身体と歌だけの関係」や面影ラッキーホール「好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた」で確実にこのDJが終わりに近づいていることを感じ寂しくなっていたところで二回目の「ラブハラスメント」。
天馬さんも「これまたやるの笑」と言いつつノリノリで、マイクを持ったままDJセットから離れオーディエンスの前まで来て歌ってくれました。DJ中もシャツのボタンを一個外したり留めたりを繰り返されなんとなく焦らされてる感があったので、サビ前でシャツをバッと脱いだときにカタルシスを感じました。
そのシャツをライブタオルのごとく左右に振ったかと思ったら、上半身裸のまま場外へ出ていき外のお客さんにやや引かれる天馬さんを見ながら『さすがは"いま、もっとも気持ち悪い男"だ』となぜか感心してしまったり、この人のファンになって本当に良かったとすら思ってしまった私も、きっとあの夜の魔法にかかっていたのかもしれません。

 


間違いなく私の夏はこの二日間にあり、同時にこの二日間で終わってしまったのだと実感せずにはいられない夜でした。

最高の夏をありがとう。




おわり

 

身体と歌だけの関係 ライブレポ


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2017年8月18日
もりばやしみほと松永天馬と姫乃たまと身体と歌だけの関係」
@沖縄 安里 G-shelter

  

お久しぶりです。また会いましたね。私がこのブログを更新するのはライブに行ったときくらいです。ということで今回も書きます、ライブレポ。

 

今回は天馬さんが初めて沖縄でライブをするということで、これはなんとしてでも行かねば!と告知されてすぐにチケットを取ったライブでした。

開場の時間になりライブハウス内へ入っていくと、天馬さんとけいさまが物販スペースを作りチェキを売っていました。今回は天馬さんいわく「事務所が絡んでいない」ライブ出演ということで、この日はチェキ以外のグッズがない上に二人が直々に物販スペースに立ってくれるというなかなかレア(多分)な回でした。

私は特典会に参加できる枚数のチェキを買った(値段は察してください)ので念願の好きな男のサイン腕に油性のペンで書かれて「これを終演後に見せてくれたらいいことがありますよ」みたいなことを言ってもらえたので、開演前だけどすでに宙に浮きそうなくらい嬉しい気持ちでいっぱいになっていました。

 

そんなこんなで、早々にチェキを売りきり舞台裏に捌けていく天馬さんとけいさまを見送ってぼーっと開場BGMを聴いていると、オープニングアクト 非の打ち所さんが登場。

小綺麗な衣装に身を包み、軽快なトークや初代プリキュアエンディングテーマの朗読などで場を盛り上げてくれました。

非の打ち所さんは実は天馬さんと近いナルシシズムの持ち主(ぶざまな自分も受け入れる、愛しているというレベルまで達している点)なのではないかと勝手に考えていたんですが、ライブを見ていて、パフォーマンスや音楽性に違いはあれどやはり近いところがあるように思いました。キャスティングした人天才ですね。

 

次に、もりばやしみほさん登場。
とろけるような優しい歌声とヒーリング音楽のような静かで寂しげな曲にとても癒されました。この瞬間だけ別世界に連れて行ってもらったような気がしました。

 

そして、姫乃たまさん登場。
姫乃たまさんはあえてほとんどリサーチしていない状態で行ったのですが、そのおかげでとても新鮮な気持ちで楽しめました。アイドル自体の知識も薄いゆえに「こんなこと歌っちゃうの?」みたいなカルチャーショックがたくさんあって、自分の今まで知らなかった世界はこんなに面白かったんだ!って嬉しくなりました。

 


さて、トリを務めるは松永天馬&おおくぼけいです。 

セットリスト
ラブハラスメント
Blood,Semen,and Death.
人狩り
好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた(カバー)
天馬のかぞえうた
血文字系
  MC
ぼくらの七日間恋愛
身体と歌だけの関係(カバー)
アンコール
普通の恋(カバー)
ぼくらはひとり(カバー)

 

けいさまのピアノに合わせて天馬さんが登場、しますがすぐにバタッと倒れてしまいます。倒れたところでパッと全身見渡すと、服装は普段のスーツなのに足元が下駄で前列ソワソワ。倒れた天馬さんをそのままに一曲目「ラブハラスメント」がかかるとバックに沖縄verの映像が。青い海を横目にどんどん脱いでいくスクリーンの中の天馬さんと、目の前で歌う天馬さんとで目がいくつあっても足りませんでした。しかし、海、似合ってきたね。

客席のボルテージが上がってきたところで畳み掛けるように「Blood,Semen,and Death.」、そして「詩人狩り」。「詩人狩り」では"言葉"を背にして歌ったり、ダイブしてみたり、まさしく全身表現者といった感じの演出が多くありました。

 

天馬さんが「俺の名を言ってみろー!」と叫ぶと客席も\天馬〜〜!/と応える恒例の掛け合いから「この曲を聴いて天馬を妊娠してください」という言葉で「天馬のかぞえうた」へ。

オケを流さずキーボードのみの演奏だったので、『一度 やったぐらいで〜』の部分では溜めに溜めて歌う演劇的な感じでした。はぁ、と息を吸い、歌いはじめるかと思ったらまたマイクを離すというシーンでは、笑い声に交じって\歌わないんかい/という声が聞こえたりもしたのですが、そんな声すらもあらかじめ用意されていたセリフであるかのようにパフォーマンスに馴染んでいてとても面白かったです。

 

「血文字系」はアーバンギャルドのオケで。今回も「踊るわよ」って言って2倍速で壊れたおもちゃみたいな動きをしていました。(なんかうまく言えないんですが本当に壊れたおもちゃみたいなんです)

あとこれはこの曲だったかどうか定かではないんですが、口に含んだ水を客にかける場面がありました。一度目は客席から見て右側の人たちに。二度目・三度目は正面に向けて。

今まではそういうのって正直あまり好きじゃなかったんですけど、その日はシャツに水がしたたるのも構わず、いやむしろたくさんしたたってくれと言わんばかりに二度の聖水を頭から浴びてニコニコ(ニヤニヤかもしれない)してしまったくらいには楽しくてしょうがありませんでした。こう書くと変態みたいですがあの場にいたみんなが変態になっていたので多分大丈夫だと思います(?)


その流れでMCへ。初来沖ライブということで、沖縄の方言にまつわる話が多かったです。私はこの文章を記憶を再構築しながら書いているので、細かいニュアンスの違いが多分に含まれているかと思いますが、臨場感は伝わると思うので天馬さんが話していた内容をいくつか書こうと思います。

松永「僕、毎回『御愁傷様です』って言うんですけど、沖縄の方言で『御愁傷様です』ってなんて言うんだろうと思って…「もんじろう」っていうサイトがあるんですけど、それで変換してみたら『いちち傷カンパチ様やいびーん』って…これ絶対ないですよね?

で、『ごめんなさい』は『ワッサイビーン』って…これ絶対謝る気ないですよね。『ワッサイビ〜ン♪(笑顔で両手を広げ)』みたいな」

「今度何か起こった時には使ってみるといいですよ。せーの?」\ワッサイビ〜ン♪/

松永「沖縄にはメンヘラはいないんだろうなと思いました!こう、太陽が無理やり元気にさせてくる感じがあって。『よっしゃいくぞー!』みたいな。オタクが常にバックにいる!みたいな感じがしましたね〜。でも、沖縄にメンヘラはいないんだろうなと思っていたんですけど、さっきBGMを聴いてたら(岡村靖幸さん、あいみょんさん、DAOKOさん等が流れていました)ここだけお仲間がいるなって!G-shelterにだけ集まってきているんですね!」

「下駄はクールビズです。(スーツは暑いので、みたいなことを言ったあと)せめて足元だけでも涼しくしたいと思って」

 

あと、このMCでけいさまのソロアルバム発売、そして明日(19日)もライブに出ます、という発表がありました。けいさまのピアノはとても美しくて好きなのでソロアルバム楽しみだなあ。ちなみに19日のイベントレポはここにありますので、よかったらぜひ。

 

MCで場を和ませたところで「ぼくらの七日間恋愛」へ。この文章を書いている現在もいろいろな意味でタイムリーな曲ですが、いつ死ぬか分からないこの時代に、同じ時を「ライブ」という形で共有できるのはとても大きな幸せです。右から左へと言葉が流れていく映像を背に歌う天馬さんは見惚れてしまうほどかっこよくて、奇抜なパフォーマンスでイロモノと思わせておいてこういう曲でグッと引き込んでくるあたりが本当にずるいよなあ、なんて思いました。

そして、最後の曲「身体と歌だけの関係」。楽しくて寂しくてやさしい曲。『歌だけが残る』の部分で顔を髪で隠し抑えるようにして歌っていた姿はあまりに悲しくて忘れられませんが、全体的に多幸感に溢れていて最高に楽しい気持ちで本編が終了したのでした。

 

 

アンコールでは姫乃たまさんをお迎えして姫乃・松永・おおくぼの三人で菊地成孔 feat.岩澤瞳「普通の恋」を披露。

歌う前に天馬さんから「この曲は容子さんと一緒に歌うことが多いんですが『もし天馬さんと姫乃たまさんが一緒に歌ったら殺す』というツイートを見かけたので、歌おうと思います」と、ただでさえアーバンギャルの脅しに怯えているたまさんを余計怯えさせるちょっといじわるな発言も。笑  個人的に、男性をたぶらかしたりとかしなさそうな(できない、ではなくあくまでしないという意味で)姫乃たまさんがかわいい声で『とても人に言えないような酷いことなら何でもやった』『アタシきっと 死んだら絶対地獄に堕ちるわ』と歌う姿に胸がキュッとなりました。

 

アンコールの最後は、もりばやしみほさんを迎え全員で披露したhi-posi「ぼくらはひとり」。

サビは天馬さんともりばやしみほさん(二番では天馬さんとたまさん)がツインヴォーカル方式で歌っていたのですが、静かな女声と力強い男声のハーモニーで奏でられる『ないても わらっても  ぼくらは ひとり    はなしは ないけど  いっしょに いたいよ』という優しくて切ない歌詞と、天馬さんの指示でつけられた客席のiPhoneの光がどこか幻想的な空間を作り出したところでライブが終了しました。

 

終演後には全員で写真を撮って、その後特典会へ。最初はグッズ(チェキ)を4000円以上購入で特典会に参加できる、ということだったのですが早々にチェキが売り切れてしまったので「2000円でツーショットチェキ一枚」が急遽追加され、これは…!と悩むまでもなく参加を決めました。今回の天馬さんは前回(6/18松永ソロ)とは打って変わってたくさん話しかけてきてくださったので、見つめ合うと素直におしゃべりできないタイプの人間としてはとてもありがたかったです…チェキにサインしてもらったり、沖縄にまつわる話もいくつかできて、とても幸せでした。 

 

 

あの夜、沖縄でもっともサブカルチャーしていたのは間違いなくG-shelterだったでしょう。

きっとまた沖縄に来てくれるであろうこと、そして近いうちにまたどこかで会えることを信じ、私もここで一旦筆を置こうと思います。

 

期待していたより何倍も素敵なライブでした。

ありがとう。

 

ここまで読んでくれたあなたに最大の感謝を。

 

 

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(遺影は何枚あってもイェーイ、みたいな。)

 

 

 

おわり

 

Blood,Semen,and Death. ライブレポ


 

2017年6月18日
松永天馬 初ソロバンド・ワンマン・ライブ「Blood,Semen,and Death.」
@新宿JAM
に行ってきました、のでそのレポを書こうと思います。
ライブからだいぶ日数が経っているのでもはやこの文章に需要があるのかどうかも分かりませんが、しかしそれでもあの日の感動と興奮をどうにか文章にして残しておきたいと思い、この記事を書くことに決めました。読みにくい部分もあるかと思いますが、お時間のある方は、どうかお付き合いいただけると幸いです。

セットリスト
Blood,Semen,and Death.
ラブハラスメント
人狩り
都市は優しい
好きな男の名前腕にコンパスの針で書いた〈カバー〉
てまきゅん愛してる
バージンブルース〈カバー〉
詩に紙(朗読)
少女地獄4'44”(朗読)
僕は吸血鬼か(朗読)
吸血鬼の自慰行為(朗読)
人間のバラード〈カバー〉
  MC
ゴーストライター
血文字系
身体と歌だけの関係〈カバー〉
アンコール
毒はクスリ(朗読)
シンジュク・モナムール・ブギ

 

(セトリはこのツイートから引用させてもらいました。)

https://twitter.com/urbangarde/status/876485745728339969

 

さて、今回は天馬さんの初ワンマンライブということで、普段は地方に住んでいて東京の二文字にはまるで縁のない私ですが「処女喪失は一度きり」と我が身に言い聞かせこの日新宿まで飛びました。
いろいろあって開演時間に間に合わず一曲目の途中からの参加になってしまったのですが、運良くスピーカー近くのスペースが少し空いていたのでそこから天馬さんの姿を見ることができました。

衣装はアー写と同じ、喪服みたいなスーツに血痕のついたシャツ、「SEX IS HEAVEN!」の文字列が揺れるネクタイと首吊り縄という格好でした。


一曲目「Blood,Semen,and Death.」はサビのジュリエッタ霧島さんのコーラスが印象的だったのと、ローテンションな歌い方だったせいか普段ライブ音源で聴いているよりも声が幼いような気がしました。

お次は新曲「ラブハラスメント」。
二番サビ前の「書いてよ 広めてよ」でパソコンのキーをカチャカチャ押すようなジェスチャーをしていたのがとてもコミカルでかわいかったので今後もぜひやってほしい所存。

そして三曲目「詩人狩り」。
これは「アーバンギャルドファンクラブ 前衛都市学園」の7月配信曲にもなっているので、これを見ている方はぜひチェックしていただきたい。すごいかっこよかったから。アーバンギャルドで演奏されるときとはまた違った魅力がありました。

四曲目「都市は優しい」は、天馬さん…DJてまきゅん?がSoundCloudに投稿していた「都市は優しい(2013年3月24日渋谷クラブクアトロ、松永天馬と谷地村啓による地下演劇を見てから、死ね)」のイメージがあったので正直ここまでポップというかたのしい曲になっているとは…という感じ。歌いながらケンケンパしたり、最後の「都市は優しい」を連呼する部分で観客も一緒に歌ったり。あと新宿JAMは天井が低いので天馬さんがジャンプするたびに後頭部をぶつけていたのがちょっと面白かったです。

それから一曲飛んで、曲が始まる前のお話。「俺の名を言ってみろー!」と叫ぶ天馬さん。ファンもやや困惑しつつ口々に\天馬ー/\松永天馬ー/と応える。「声が小さい。俺の名を言ってみろー!」\天馬ー!/というのが何度か続いて、天馬さんがふいに「てまきゅん?…ちょっとリバーブ多めで。てまきゅん?(エコーがかかる)」と言った流れで「てまきゅん愛してる」へ。
これを生で聴くのが夢だったので流れてきたとき勝利を確信しました。オタク構文的に言うと、優勝しました。歌い終わったあと、ぼそっと「新宿JAMはおしっこくさくないです」と言っていたのにはつい笑ってしまった。かわいい。

それから、原曲は野坂昭如さんの「バージンブルース」。「くちびるデモクラシー」のサビはこの曲のオマージュ、ということで聴きはじめ好きになった曲ですが、まさか天馬さんが歌うのを聴けるとは思っていなかったので感激。ニヤニヤと笑いながら「あなたもバージン あたしもバージン バージンブルース」と歌う姿はまさに"いまもっとも気持ち悪い男"の名に恥じぬ気持ち悪さ、かと思えば「角だせ槍だせ 目玉だせ 出さなきゃ貝殻 踏み潰せ」で足をドン!と踏む動きに思わずどきりとしたり、とにかく目の離せないパフォーマンスでした。

その後の、淡々と読み上げられる「詩に紙」と、電話でつないだ117の時報音声サービスを流す中で静かに読み上げられた「少女地獄4'44"」の朗読は、それまでの熱狂的な空気をシンと静かで緊張感のある空気に変えました。

朗読が終わると、先ほどまでとは打って変わって「結婚します!」と声高に叫んでみたり(この日はAKB総選挙の次の日だった)、Siriとの噛み合わないダイアローグで笑わせてくる場面も。
しかし「僕は吸血鬼か」の朗読が始まるとまた一気に天馬さんの詩世界へ引きずり込まれます。自分の体内で今にも目を覚まそうとしている凶暴さを必死に抑えるように声を震わせる、しかし「僕は吸血鬼か!」と叫ぶその姿はついに本能に抗えなくなった吸血鬼そのもの。ファンタジーの世界でしか見たことのない吸血鬼がまるでそこにいるかのようでした。

その流れで「吸血鬼の自慰行為」がはじまると、今度は打って変わってポップな曲調に明るい声で詩が読まれます。さながらそれはジェットコースター。さっきまで痛そうに叫んでいたのに今は歌うように読んでいる、そんな彼にひたすら翻弄されます。あとこの曲だったかどうかは覚えてないんですが、不安になるぐらい長めに股間をなでまわしたり歌い終わりでマイクに軽くちゅーしてみたり(本当に「ちゅー」って感じだったんです、伝われ)と、見ているこっちが頬を赤らめてしまうようなシーンがいくつかありました。


それから一曲飛ばして(「人間のバラード」は聴きながらちょっと泣きそうになってたぐらい良かったんですけどわたしの語彙力じゃ『良かった』しか言えそうにないのでスキップさせてくださいね)MCへ。
この日はずっと雨も降っていて肌寒い天気だったんですが、「本日はお日柄もよく…」と皮肉たっぷりに話しはじめた天馬さん。
(自殺者たちの喪服を見て)松永「僕たちが喪服を着ているということは…死んだのは客席の人たちで僕たちは見送る方なんですかね」
松永「Twitterの人なんて生きてるのか死んでるのかよくわからない人たちばかりじゃないですか」
SNSは"死ねし"の略ですよ、いいですか、SNSは?」\死ねしー!/


そこから話は自殺者たちのメンバー紹介、そして死因紹介へ。

Key.おおくぼけいさん→腹上死
松永「なんかあなたいつも腹上死じゃないですか?もっと、バラエティーに富んでくださいよ…『結婚します!』ってライブで発表したらファンに刺されるとか」
けいさま「天馬くんと、ね…」
松永「えっ?僕と腹上死ですか?」


G.ジュリエッタ霧島さん→不慮の事故
松永「不慮の事故ってどんなのですか?○○(シチュエーションの説明)みたいなことですか?」
ジュリ島「それで大体合ってます…!笑」
松永「ジュリ島さんって…キノコホテルってかっこいい、昭和のイメージじゃないですか。だけどジュリ島さんはけっこう、喋ると萌え声なんですよね。キノコホテルでコーラスとかやってるんですか?」
ジュリ島「一応やってます…!照笑」
松永「萌えますね〜。すごい萌えますね」
それから話が移り、「サロン・ド・キノコ」の告知へ
松永「そういえばキノコホテルさんも今度ワンマンやるらしいじゃないですか」
ジュリ島「サrンドキノコの…(噛む)」
松永「"サラウンド"じゃなくて"サロン・ド"でしょう!笑 "サラウンド・キノコ"ってなんですか!『あっちからもこっちからもキノコが聴こえてくる〜♪(手を両耳に当て辺りをキョロキョロ)』みたいなことですか」


B.渡邊健太さん→マインドで殺される
松永「マインドってなんですか笑」
「そんなこと言ったらこの人たちだってみんなマインドで殺されてますよ(客席を手で示す)」

Dr.タナカ"組長"ヨシトモさん→(ヤクザ関連の何かだった覚え。マイクが遠くてあまり声が聞こえなかったのです)
松永「組長は"組長"ってあだ名なんですよね。しかしあだ名が組長ってすごいなあ」
松永「『アウトレイジ』は"ヤクザの死に方図鑑"的なところがありますからね」
「『アウトレイジ』出たいよなぁ〜。もう終わっちゃったけど」

その他には天馬さんに似ている指名手配犯・桐島聡の話がありました。


「この曲を新垣さんに捧げます」という言葉ではじまった「ゴーストライター」。これはTwitterにも書いたんですが、最後のサビ「火をつけておしまい ジッポライター」の部分を「火をつけておやすみ」と歌っていたのがとても可愛くてびっくりしたということをここにも書いておきます。

そして「血文字系」。ライブで改めて聴いて、この曲かっこいいな!?ってなりました。イントロで「踊るわよ!」と言った天馬さんが最高に狂ったダンスをしていたのが個人的ハイライトです。


曲に行く前に、天馬さんと客席の「最後の曲ですが…」\え〜/「なんですか!最後の曲やらずに死ねってことですか!(超早口)」みたいな会話で場がすこし和んだ(?)ところで、最後の曲「身体と歌だけの関係」へ。
もりばやしみほさんのスローでやさしい曲調とは違いアップテンポなアレンジではあるのですが、ところどころで聴こえてくる優しい和音がなんだか寂しげで素敵な曲。『この時間が永遠に続けばいいのにな』なんて思いながら聴いていたら突如天馬さんがシャツを脱ぎはじめ、露わになった胸と脇にはわずかに毛が!さみしいモードから胸毛おかえりモードに変わった瞬間でした。やっぱり胸毛があると安心しますよね!(?)
そして曲終わりに上半身裸のままぱたりと倒れる天馬さん。サポートメンバーは捌け、舞台上には倒れた天馬さんのみという状況。倒れた天馬さんを前に必死に「アンコール!アンコール!」と叫ぶファン。こう書いてみるとちょっとシュール…

それから数分経った頃でしょうか。けいさまが舞台袖から出てきて、手に持っていた浴衣を半裸の天馬さんにかけてあげたあと、横たわる天馬さんのお尻に自分のお尻をあてがうようなポーズをして会場をどよめかせていました。死因が腹上死だからね…(上記参照)
けいさまが咳き込みつつその咳の音に合わせるようにピアノを弾きはじめると、天馬さんもゆっくりと起き上がりスーツ姿から天馬誕のときの浴衣に着替え、自殺者たちも「ゴホゴホ」と咳き込みながら舞台に戻ってきたところでアンコール一曲目「毒はクスリ」へ。
「クスリと笑ってあいつは言った」まで読んだところで手に持っていた紙を投げ「『踊りませんか?』」と言った天馬さんの姿が死ぬほどかっこよかったです。家に帰ってきてすぐに詩を読み返して思い出に浸るぐらいにはツボでした。

次の曲へ行く前に天馬さんから「この世は暗すぎる!あなたのiPhoneの光で照らしてください!」というような指示があってiPhoneのライトがぽつぽつと灯っていく感じが面白かったです。ライブ中に携帯を出すのはちょっと背徳感があったけど。
そしてこれが本当に最後の曲、「シンジュク・モナムール・ブギ」。終演後のツイートでブギって知ったよ。おしゃれでした。サビではiPhoneの小さな光の集合体が左右に揺れて、ステージから見たらきっと綺麗だったんだろうなあ。天馬さんが、二番サビ前の「演じるの 天使のように」で人差し指をくるくるさせて頬に当て、「二度とは」でピースサインしていたのがとても可愛かったです。天使のように、というか、天使では。


そんなこんなでライブは終了。咽び泣くファンの声が聞こえて、私も数ヶ月前から楽しみにしていたライブが終わってしまった現実を前にただ立ち尽くすしかなく。
流れてくる懐メロを聴きながらぼーっと立っていたら特典会のために天馬さんが戻ってきてくれて、『まださよならの時間じゃない!』と思い出し特典会の列に並びました。
この日の天馬さんはしゃべらないスタイルだったらしく、私の言った「かっこよかったです」の言葉にコメントすることはなくとも顔を上げてうなずいてくれました。わーい。サングラス越しだったので分からないけど、きっと目も合った(はず)。拙文ですがお手紙も渡せたので、はじめて天馬さんのライブに参加した身としては上出来な方でしょう。


今日のライブのことを忘れないように一生懸命反芻しながら地上へ続く階段を上っていったら、外はいまだ雨が降っていました。
東京は、新宿は小さな水槽みたいな街で、そこで歌い踊る天馬さんは少し窮屈そうで、だけどその水槽がとても似合う小さな魚のようでした。彼がその日全身にまとっていた病み(闇)が余計に彼をそう見せたのかもしれないけれど、目を離したらふっとどこかへ行ってしまいそうな危うさがありました。
彼は『書くことは苦しいけど書かないで生きていくほうがもっと苦しい』ということを前にツイートしていましたが、まさに彼は書くことで、ステージに立つことで苦しみを和らげているんだろうなと思いました。

私の好きな松永天馬さんがそこにありました。
そこに天馬さんが居続ける限り、私も追いかけていきたいと思えるようなライブでした。


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ここまで読んでくれたあなたに最大の感謝を。

これを読んだあなたが、今後の天馬さんのソロライブ/イベント等に足を運んでくれたならとても幸いです。

 

 

おわり